大寒 宵月 小吉
遡る事2018年秋。
仕事の件で、お礼のメールをきっかけに取引先の彼とのやりとりが始まりました。
そのやりとりは、数10年ぶりに友人に再会してほろ酔いの電車の中でした。
私の気分はとても高揚していました。
最寄りの駅に着く頃には、
『いいなぁ!!今日夜暇過ぎです💦
付き合って欲しかったです😭』
「またまたー毎晩引っ張りだこでお忙しいでしょうに😁」
『明日休みなのに家ですもん💦
今からでもご一緒して下さいって感じですよ😭
◯◯で一杯いかがですか⁉️』
「この熟女キラー✨
大人しくお休みさない‼︎」
『ただご一緒したいだけです💦
大人しく休めないから言っているのです‼️』
『寂しさでやけ酒の予感です😭笑』
「そうだ飲もう飲もう‼︎」
『体に悪いやつですね😅
けどほんと近々行きませんか??嫌だったらちゃんと断って下さいね‼️』
「嫌な訳はありませんよ😊」
(彼も含め数人でだったら2度程飲んだ事があったので)
『安心しました😊
是非お時間いただきたいです✨』
「うまいなー✨」
『あ、なんか逆に自分、風月さんに遊ばれてる⁉️』
「純情な主婦つかまえて、その言いっぷりは…あっでも酔ってるからキャラ違うかも…」
『昼とは確かに‥笑
純情そうにみえて実は‥の主婦ですよね?!笑』
「実は…何ですか?」
『言わせます?笑』
その日は何往復も会話が続き、ドキドキして楽しかったのを覚えています。
反面、家で待ち構えている夫に少し怯えながら帰宅しました。
夫は束縛するものの、携帯電話が嫌いで操作に疎く、メールを勝手に見たりはしません。
これまでの彼は、長身でソフトな面持ち、ゆったりとした性質で、仕事に対してはきっちり真面目な印象でした。
数日間、ドラマや本の話からお互いを褒め合う所まで、寝る間も惜しんでメールして、今思うとのぼせていました。
この頃の会話はお互い敬語でした。
『1つ質問いいですか?』
「いいですかって聞いてからの質問、ドキッとしますね。どうぞ。」
『笑!そもそも2人で飲みに行くってお誘いはダメなんでしょう?』
見た目より強引な言動とのギャップに、この時すでに惹かれていたのでしょうか。
会う日は早々に決まりました。
結婚して此の方、男性と2人きりで会うなんて一度もない私が飲みに誘われ、会うのを迷いましたが(理由はいくつかあって)、一度きり、今後は無理な事を伝えるために会うことにしました。
明確な目的ができたので罪悪感は消えていました。
ひと回りより年下の彼がまさか私にそんな気があるなんて…思いもよらない出来事でした。