十三夜 大吉
私も彼の事を考えると眠れなくなっていきました。
メールのやり取りが続く中で、
「伝える事があって、伝えたはずなのに、私は何してるんだろ…」
『伝えられても変わらない気持ちもあるんですよ。。』
『会って間もないけどもう会いたいです。』
思い掛けず電話があり、
小声で少し話して切りました。
「電話なのに、声出せなくてごめんなさい。
びっくりしました。」
『いえ、逆にすいません!
声が聞きたくて我慢出来ませんでした。』
『無理矢理とはいえ風月さんの声が聞けて幸せな1日です😊』
『風月さんの声が僕の明日への活力ですよ!』
「Mさんって、私が思ってた見た目よりずっと熱い方なんですね。」
『そうですか?
それは風月さんへの想いの強さが無いと生まれるわけないですよ。』
「そこ、名前変えて何度か使ってマス?笑
こんな状況慣れてないのでごめんなさい、、、」
『変えてない!
ねぇ風月さん。
僕のこと好きですか?』
「どうして聞くの?」
『好きだから』
いたって普通のアラフィフなんですが、恋のフィルターって何倍も良く見せてしまうのでしょうね。。
「夜はいいのだけど、明けるとなんだか落ち込むの。色々考えてしまって。」
『ねぇ、落ち込まないでよ。
夜も昼も気持ちは変わらないでしょ。そう俺は思ってる。』
ここから急に敬語なし、僕→俺に変わりました。
ここは突き放そうとあえて嫌な女を装うよう、
(以前数人で飲んだ時に夜の話になり、夫から頻繁に求められている事を話してあります)
こう言いました。
『夫と〇〇でしてる、ひと回り以上年上の女の、どこがいいの?おかしいよMさん。』
「おかしいね。確かに。
だけど、会った当初から綺麗だなと思ってたしずっと変わらないあなたを見てきてそれは普通の感情かな。
それをそう思う夫も納得。
年とかじゃなく何年も前から風月さんを綺麗で側に居たい思うのおかしいかな?』
「返事ないと思った。
傷つけたかと。
ありがとう。
このまま夜のまま明けないで欲しい。」
『ねぇ、風月さん。
あなたをずっと感じて居たいです。
もうバリアは外してちゃんと俺と向き合ってよ。』
「私、昨日ほぼ眠れなかったの。今日も眠れなくするの?胸が痛くて毎日。
小さい頃からずっと、いい子できたから。」
『大人になって俺と少し道草してみるって冒険しようよ。
そしたら楽しくなるでしょ?
楽しい未来浮かべて眠りにつこうよ!!』
「ゆっくり、付き合ってくれるの?」
『もちろん。
俺の側に居てほしいのは風月さんだよ。』
恋は盲目と言いますが、恥ずかしい程お互い熱かったようです。。
今こんな風に言ってくれたら不安な思いもしなくて済むのに。
今は別の意味で眠れません。。